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2020年06月04日(木) パコムレター

パコムからのメッセージ【6月】

2020年6月

 

パコムからのメッセージ【6月】

 

ようやく緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだ気持ちのうえでは晴れ晴れとはいたしません。

我が家へも緊急事態宣言解除後の6月になってから、ようやくアベノマスクが到着いたしました。

もうすでに街には、さまざまなマスクが溢れていますし、私も久々に手縫いで麻ジャージのマスク作りをしたり、お友達が手作りを送ってくれたり、取引先の方に頂いたり、マスクを通じたコミュニケーションが図られました。

新しい生活様式も発表されて、なんだか人と距離を置くようなことが当たり前の世の中になっていくことは、感染症防止とは言え、複雑な思いです。
これを機にリモートワークやオンライン会議などがスタンダートとなり、働き方も人との付き合い方も一変したように思います。

 

先日読んだ霊長類の第一人者で京都大学総長の山極氏の「人間の五感は、オンラインだけでは人を信頼しないようにできている」という記事が興味深かったので、ご紹介します。

人は言葉や文字を作り、インターネットやスマホで遠距離にいながらにして遠隔地の友人や知らない人とつながるツールをつくってきました。
安易に「つながっている」と錯覚するけれど、実際の信頼関係は担保できているわけではありません。
SNSで多くの友人を持つ人も大勢いることでしょう。

 

群れやチームのサイズは脳の容量と関係があります。
脳の容量が500ccくらいの時は群れのサイズは15人程度。
150万年前に脳の容量が600ccに増えて30~50人の群れを形成し、60万年前に脳の容量が一気に1500ccに達し、人間は150人の群れを形成できるようになりました。その頃から現代に至るまで脳の容量は変わっておらず、今も私たちは「150人の群れ」のための脳しか持ち合わせていないとか。

150人というのはマジックナンバーと言われていて、人間が記憶できる顔の数だそうです。
しかも言葉で覚えているのではなく、過去に身体感覚を共有した人の数です。
触覚や臭覚、味覚は、オンラインで共有できない感覚です。学生時代に旅行したり合宿したりの思い出のある人を忘れることはありません。

安心しました。過去に濃密な関係?にあった人は記憶にあるのに、近年、交流会などで名刺交換する多くの人については全く記憶できないので、若年性のなんやらがスタートしたかとおろおろしていました。

困ったときに相談したり、喜びを共有できる「社会資本」となる人の数は150人くらいが限界だろうと。
 

言葉や脳によるつながりだけでは信頼関係をつくる上では難しく、やはり身体的なつながりが必要になってくるわけです。触覚は触れると同時に触れられてもいるので、オンラインでの共有は難しいので、母子もカップルも肌の触れ合いを長くすればするほど信頼関係が高まるのです。
 

コロナ禍でソーシャルディスタンスが叫ばれる時代だからこそ、他人と五感を共有することを大切にしたい、そう思います。
できうる対策を講じたうえで、大切な人とは一緒にご飯を食べる時間を作ってみてください。

一日も早く元の日常が戻ること、そして第二波が来ないことを願っています。