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2022年10月14日(金) お知らせ

パコムからのメッセージ【10月】

2022年10月

 

パコムからのメッセージ【10月】

 

真夏日のような10月スタートでしたが、週末からは冷え込むと予想されていますね。

春は沈丁花、夏はくちなし、秋は金木犀の香りが漂うと、季節が巡ってきたと認識するものですが、今年はまだ金木犀の香りを感じていません。

忙しくて心に余裕がないのか、いまだマスク生活を強いられて嗅覚がおかしいのか?

 

さて、9月にひょうご大学生支援機構が主催の大学生を対象にした「今、知っておくべき日本の経済と私たちの将来」という大江英樹さんのセミナーにオブザーバーとして参加しました。

今、コロナも含め、人々が不安にかられるニュースばかりで、将来のことを悲観している若い人も多いのではないでしょうか。

私の大学生時代は、毎日、遊ぶことばかり考えていて、老後のことなど想像もしたことがなかったし、世の中はますます豊かになると漠然と思いこんでいました。

講演内容をすべてここに記すことはできないのですが、私たちが日ごろ、テレビ、週刊誌などの情報を鵜呑みにしていないか?という投げかけからスタートいたしました。

不安要素と言えば、
年金が破綻する、
円安で経済が収縮する、
人口減少で経済が停滞する、など様々。

2017年に「老後2000万円の貯蓄が必要」と言われて大騒ぎになりました。
大江先生の説明によると65歳の年金受給スタートの夫婦をモデルにその内容を分析してみると、受給する年金20万円に対して支出が25万円で、月にして5万円不足、年間60万円になります。90歳までの30年を掛け算すると2000万円弱という数字になったようです。
が、2020年の同じモデルで総務省統計局「家計調査報告」によると、ひと月の不足は1500円程度に減っています。
そうすると30年間の不足は55万円にしかなりません。

2020年は、特別定額給付金により1人あたり10万円の支給があり、老夫婦は20万円増えたことになります。
外食など支出が減ったので、収入と支出の差がなくなったわけです。つまり毎年変動するわけです。

また年金破綻についても、赤字なのは国の一般会計であって、年金会計は234兆円もの黒字になっています。
世界中でみても年金の安定性は優れているそうで、年金の積み立て金額は欧米に比して、安定しているデータがあります。
少子化で年金制度が破綻するのではなく、就業者が非就業者を支える仕組みなので、年齢だけで捉えず、1970年は就業者1.05人で非就業者1人を支えていたのが、2020年は就業者0.89人、2040年の予想では0.96人と殆ど変わらないそうです。

それ以外にもハッとするような視点で、大学生の皆さんに経済のお話をされていました。
大学生向けとはいえ社会人の私たちも、メディアの情報に翻弄されることなく、きちんと示されたデータや資料を見ることで、自分の頭で考え、納得するということがいかに大切かを改めて気づかされた2時間でした。

何でも鵜呑みにせず、まずは疑問を持ちなさい、と。そして世の中にうまい話などない、ことも。

過ごしやすい季節がスタートします。
張り切っていきましょう。