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2016年08月16日(火) パコムレター

パコムからのメッセージ【8月】

2016年8月
 
【パコムからのメッセージ】
 
夏真っ盛り。ぎらぎら太陽と、アスファルトの反射熱と、車の熱い排ガスと、エアコンの室外機の熱風で、ふらふらになって御堂筋を歩いている私です。
熱中症には縁遠いと思いつつも、さすがに油断はできないお年頃となりました。
 
先月、東京出張の折にせっかくだから東北を巡ってみたいと思い、岩手まで行ってきました。
関西からは、なかなか行く機会のない「平泉」に行ってきました。
町全体が世界遺産となった平泉で中尊寺と美しい庭を  持つ毛越寺を回ってきました。
歴史的遺産の建立物は、歴史を理解していないと、感動の度合いも違うものです。
中尊寺は、車を停めた駐車場からも、軽いトレッキングくらいの坂道を上がっていきます。
12世紀の初め藤原清衡公にて開かれた中尊寺ですが、1124年に金色堂が完成しています。
すべてが金箔という輝かしい造りで、柱回りなどは白く光る夜光貝で装飾が施されており、その精巧な作りは目を見張るものでした。藤原氏の財力と職人の技術の結集が900年近く経っても、私たちに深い感動と驚きを与えます。
それにしてもそんな昔に、山の上にどうやってこんな金箔のお寺が建立されたのか?    
建物の素晴らしさもさることながら、何の機械も車もない時代に、人の手によって建造されたことに驚きました。
その一帯にお寺は最盛期には40もあったと言われています。
いつの時代にも人の力は偉大です。人工知能の時代到来と言われていますが、こんな緻密なことは、人の感性に頼るところだと信じたいですね。

夏草や 兵どもが 夢のあと」芭蕉が中尊寺で詠んだ有名な俳句です。
藤原氏の功名や栄華の後の中尊寺を表現しています。時代は変わり続けるということでしょう。
その晩は、遠野という町まで足を延ばし、日本昔話のおばあちゃんのような人にいろいろな昔話を聞かせていただきました。囲炉裏のそばで、時が止まったような優しくまろやかな声で始まる「むかし、むかしあるところに…」という語り部である東北弁のおばあちゃんの語り。河童の話、座敷わらしの話など当地に伝わる昔話を聞かせていただきました。
座敷わらしの出る家は栄えるそうです。
こうした語り部も、遠野には数人しか残っていないとか。
DVDなどでは残せるだろうけれど生の人の声から発するほっこりさは、得難いものです。
この頃、よく考えてしまいます。人にしかできないことって何だろう? 
AI知能などで次々と私たちの仕事が奪われていく時代、自分自身が必要とされる仕事は何だろう? 
そんなことを考えながらの22期がスタートいたしました。
さぁ、このレターが到着する頃には、リオオリンピックの熱い闘いで寝不足になっている方もおられるかもしれませんが、水分、睡眠、十分に摂って、猛暑を乗り切ってください。