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2017年06月06日(火) パコムレター

パコムからのメッセージ【6月】

2017年6月

パコムからのメッセージ【6月】
 
雨の季節になりました。雨が降ると土の中から何かが湧き上がるような、ほっこりするような匂いがすると思うのは私だけでしょうか?

先日、社内の女性が昔愛用していた香水がまだ販売されているのを発見して、懐かしく感じムエットでその香りを嗅いだ瞬間、その当時の楽しくなかった事を思い出して購入に至らなかったという話を聞きました。

人間には五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)がありますが、その中でも嗅覚というのは記憶や感情を喚起する力が強いそうです。他の感覚と違い脳の海馬などに直接つながっているからだと言われています。   
匂いは記憶を刺激しやすいというのはそのせいでしょうか。特定の匂いがそれにまつわる記憶を誘発するのはフランスの文豪、マルセル・プルーストにちなみ「プルースト現象」と言われています。

好きな人がつけていた香りを嗅いだら、その頃を思い出したり、お線香の匂いで祖母の仏間を思い出したりすることって誰にでもありますよね?

嗅覚というのは危険予知・食糧探知・異性探知の役割をはたしています。
危険予知は、生命に危険を及ぼすものを予知する、食糧探知は腐敗や口にした記憶を呼び戻す、異性探知はまさに動物などがフェロモンで異性を認識することでしょう。
健康診断などでは、視力や聴力の検査をしますが、嗅覚は他人と比べるものがないので、意外とおろそかにしがちです。
しかしながら嗅覚を失うと味覚の一部も失われるということが判明しています。
食べ物が美味しく感じられないのは、とても残念な気持ちになります。

先日、パコムの研修で、新聞記事の中から気になるものをピックアップしてみんなの前でプレゼンするというカリキュラムがありました。その中でAさんが『婚活に光!暗闇コン❤』という記事を取り上げていました。合コンの時にアイマスクをして、相手が見えないようにして、匂いや声、握手をした触覚などで彼氏、彼女を探そうという企画です。
ついつい「イケメン」「美女」に弱くて外見だけで判断することが多いですが、なかなか面白い企画ですね♪

あることで刑事さんと話をする機会がありました。
その時にも刑事さんが「人間の視覚における記憶はとても曖昧だ」とおっしゃっていました。
ほど注意深く見ていない限り、目から入った情報を記憶するのは難しいそうです。
改めて嗅覚が記憶につながるという現象に興味を持ちました。

「プルースト現象」と名付けられたプルーストの「失われた時を求めて」を読んでみたくなったのですが、1913年から15年に亘って執筆された長編小説で400字詰め原稿用紙にして10,000枚だそうです。
それを読破する気力、根気があるかなぁ、と。
いやいや、その前に五感のうちの「視覚」が衰えて文字を追うことができるでしょうか?

ちなみに「第六感」は、潜在的なものに近づいていく感覚で、人類が文明と引き換えに失った感覚とも言われています。
普段「第六感」だけで仕事しているように思える私は、文明化されていない証拠かもしれません。
自然の香りを嗅ぐと嗅覚は鋭くなるそうです。お休みの日は、都会を脱出して、山の匂いや潮の香りのするところに行ってみませんか?
自分の好む匂いを感じることは癒しになるそうですよ。