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2017年11月15日(水) パコムレター

パコムからのメッセージ【11月】

木枯らし1号の声を聞くと霜月に入りました。
今年も残すところ
2ヶ月となりました。

 

先日、駅から離れた仕事先に行くためタクシーに乗りました。

15分程度の乗車時間ではありましたが、運転手さんがしきりにいろいろな話をしてくださるので、相槌打ちながら聞いていました。

暑い寒いの天候の話に始まり、先日の選挙や政治、外交問題、人口減少、健康、仕事の在り方などの話で盛り上がりました。いろいろなお客様とお話されるので、ご自身でも興味のあることは調べるし、 お客様からの生きた情報も自分の中での糧になるとおっしゃっていました。

 

そんな中で、これから『なくなる仕事』の話をしました。

AI知能搭載のロボットなどの登場であらゆる職種は、ロボットが担う将来がやってきます。

「タクシーだって運転手さんが必要でなくなるかもしれないですね」と私が言うと「実際過疎の村では、そんなタクシーが試験的にスタートをするそうですよ。交通機関が何もない所では、老人ばかりで移動手段がないからね、、、」と。

 

70年前、戦後数年して、私の父は大学を受験しました。
その際に祖父に「大学なんか行かんでいいから、うちの商売を手伝え」と言われたそうです。
当時、父の実家は神戸で生糸の輸出をしていました。神戸の街には外国人も多く、インド人との商売はお国柄の違いからか、いつも手こずったようです。

父が子供の頃は、仕事の手伝いとしてインド人の自宅に集金へ行かされていました。
商売相手のインド人に「お菓子と紅茶をあげるから少し待って」と言われたので、そこで時間を潰し、集金してから自宅へ戻ると、すでに銀行が閉まった時間。その日じゅうに銀行で換金できないため「こんな時間まで何をしていたのだ?」と祖父に大目玉をくらったと昔話を聞きました。

父は高校生になり『こんな商売がこれからの日本で続くわけがない。絶対に継がないぞ。大学に進学すると言って家業の手伝いを免れよう!』と思ったそうです。
今の若い人のように就職するために大学に行ったのではなく、仕事したくないがために進学を選んだようです。

そして、予想通りその家業は、生糸の衰退とともに斜陽産業となり、会社はなくなりました。

かつて私が働いていた印刷・出版会社もなくなりました。

 

今、人々は多くの仕事がなくなると大慌てしていますが、今までもいろいろな業種や職種がなくなってきた過去があります。ちなみに業種は「製造業」「金融業」など業界を指し、職種は「事務」や「営業」など仕事の種類を指します。

時代の変化とともに、必要とされるものが変化し、新しい仕事も生まれます。

そして決して無くならない「もの」や「こと」もあります。

変わらないのは、仕事をする人にその「心意気」があるかどうか。

いつの時代も求められることは変わらない、そう思える秋のひとときです。