2019年04月09日(火) |パコムレター
パコムからのメッセージ【4月】
2019年4月
パコムからのメッセージ【4月】
今年の4月1日は、5月1日の改元を前に新しい元号が発表されるという特別な一日になりました。
「令和」という元号に決定されました。
万葉集を典拠とするもので、日本で記された国書を由来とする元号は初めてだそうです。
『初春の令月にして 気淑く風和らぎ 梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす』
さて、3月末にICHIROさんが引退を表明いたしました。
私は特別野球ファンではありませんが、数々の金字塔を打ち立て、天才的偉業を成し遂げた彼を尊敬するとともに、気取らず気負わずいつも淡々としたお人柄が好きでした。そんな彼に私たちは、多くの感動と勇気を与えてもらったことでしょう。
ICHIROさんが神戸に住んでいた頃、奥様の弓子さんとご一緒に神戸の百貨店でお買い物を楽しまれ、その際に接客したパコムスタッフもいました。とても地味なイメージで華やかに活躍するあのICHIRO さんの奥様だとは気付かなかったと言います。その時間、ICHIROさんは百貨店の回廊の下のカフェでお茶を飲んでいたようです。
そんな彼の生き方は、野球のみならず私たちの生き方の指標になったところがたくさんあったように思います。
彼の引退会見はとても素敵でした。
彼がきちんと自分の言葉で、いかなる質問にも真摯に答えていたところは、最近のどんな会見より心に残りました。
今後について記者から「監督は?」と問われると「監督は絶対無理。“絶対”がつく。人望がない。本当に人望がない」と言い切っておられました。人望なくともお金や名声のためにそういったポジションに就きたい人が多いなか、人望のあるなしは、彼が判断するのではなくて周囲が評価し判断することだろうなぁ、と思いながら聞いていました。
そして当然のことながら彼のような人を成功者と呼んでしまう私たちですが、彼自身が「成功かどうかってよくわからないですよね。どこから成功で、そうじゃないのか?僕には全く判断できない。だから成功と言う言葉は嫌いなんです」と。
いろいろな言葉にうなずきながらも、私の肚にドンと落ちたのは
「特別なことをするために、
特別なことをするのではない。
特別なことをするために、
普段どおりの当たり前のことをする」
その言葉でした。
私たちは仕事で何か特別な業績を残そうとして力を入れてしまいがちですが、普段通りの当たり前のことをきちんとやることによって、人々から感謝され、評価につながり、最後は自分自身が納得のいく仕事につながるのでしょう。
いつか私たちが自分自身の軌跡を振り返ったときに
『後悔などあろうはずがない!』
迷いなくそう言い切りたいものです。