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2019年12月05日(木) パコムレター

パコムからのメッセージ【11月】

2019年11月
 
パコムからのメッセージ【11月】
 
11月に入り、ようやく肌寒さを感じるようになりました。
かつては9月末頃に金木犀の香りが漂っていたのに、今年は10月末頃にその香りに気付いたように思います。
10月の気温が高いため、海水温も下がることがなく、大きな台風が日本全国を襲来いたしました。  
先月の甚大な台風や豪雨で、いまだに復旧していない地域が多くあることに心を痛めています。   
一日でも早く、元の生活を取り戻していただくことを願うばかりです。
 
さて、いまパコムでは多くの若い外国人の方が販売や通訳業務として活躍してくれています。
母国を離れて、文化の違う日本で、生活して働くのは並大抵のことではありません。
彼らに「なぜ日本で働きたいの?」と問うと「日本は住みやすいし、人も優しい。食べ物も美味しい、安全です」と良い所ばかりを挙げてくれます。

先月、高島屋で1週間のみのラグジュアリーなダウンジャケットのポップアップストアが、開催されました。
その際に常時、売場に3-4名の方に販売として従事してほしい、とクライアントから依頼を請け、難波は、外国人が多いので、1名は通訳として中国語と英語のできる台湾人の女性Kさんに売り場に入ってもらうことにいたしました。

Kさんは9月に来日したばかりで、日本の百貨店での就労は初めてでしたが、快く引き受けてくれました。
台湾でホテルのフロントにいた彼女は、日本語もN1で日常会話には何の問題もなく、英語での会話は日本語より堪能です。
百貨店のイベントスペースには、多くのお客様がお見えになりますし、購入目的でない方も商品をご覧になります。
その際に80代くらいのご年配の男性が、Kさんに「これなんぼ?」と尋ねました。  
日本語が得意なはずの彼女も大阪弁特有の「これなんぼ?」には即答できず、とまどったようです。 
しばらくやりとりして、価格を尋ねておられることに気づき、値札を指さして示しました。
ところが、その『指さし』が「丁寧でない、おもてなしの心がない」と接客を受けた男性が、百貨店にクレームを申し立てたそうです。

確かにマナー研修には指さしは基本的にはNGでしょう。
しかしながら、異国の地で頑張っている外国人のわずかな所作や発音に完璧さを求めたうえで「おもてなし」を強要する我々日本人はいかに優しさがないことか? 
他人に優しくできないのに「おもてなし」や「丁寧」「親切」を望むなんて、納得のいかない話です。
来年は、世界中の人が日本人のおもてなしを注目することでしょう。特別なことではなく、当たり前の思いやりを持って、接していけるようにできたらいいですね。

『人生楽しんでなんぼ♪』あんまりカリカリせずに鷹揚な心も必要です。